【今日にもできる】取材の時に、ライターが最低限心がけておきたい12のこと(後編)

こんにちは、オフィス解体新書の杉山です。

「取材の時に、ライターが最低限心がけておきたい12のこと」、
前編に続き、 後編をお届けします。

【ポイント6】的外れなあいづちに注意

前編で「相手に気持ちよく話してもらうことが大切」と言いましたが、
意外とその気持ちをぶち壊しにするのが、「あいづち」だと、僕は考えています。

あいづちは、会話の潤滑油として必要なものですが、使い方を間違えると、逆効果になることも。

たとえば……(すべて実例です)。
●まったく感嘆するところではない場面で、「へえー!」と感嘆する
●相手の話と「はい」のタイミングがズレている

●「なるほど」を1分間に15回ぐらい連呼する

これでは、「まったく話を聞いていないな」と思われても仕方ありませんよね。
かくいう僕も、先日、無意識に「はい!?」と聞き返すようなあいづちを打ってしまい、肝を冷やしたことが……(※一瞬、心ここにあらずな状況でした)。

たかがあいづち、されどあいづち。こういう細かいところほど、案外見られているものです。

【ポイント7】完璧な下調べからの先走りに注意

取材先の下調べを完璧に済ませた。知らないことは何もないーー。
これは良いことなのですが、完璧に調べまくると、思わぬ落とし穴が待っていることがあります。

取材が「確認作業の場」になってしまうのです。
たとえば、「2012年に〇〇を開発されました。この時は、チームの意見が合わず、殴り合いのけんかもあったそうですね」
などと、相手が話しそうなことを先回りして話してしまうのですね。

これは「分かり切ったことを聞かない気遣い」だと思うのですが、
この聞き方をすると、相手は「イエス・ノー」で答えるようになり、話が弾まなくなることがあります。
恥ずかしいのですが、僕自身、これを何度やったかわかりません。

そこで、最近は、「ご著書などを拝読し、下調べしてきたのですが、改めて当時のことを〇〇社長にお伺いしてもよろしいですか」
などと言うようにしています。
こうすると、「〇〇の開発はスムーズに進んだのですか?」などと、イエス・ノーで終わらない聞き方ができるようになります。
相手も話しやすくなりますし、話すのが嫌なら「ここは本にも書いてあったと思うけど」などと言ってくれるものです。

【ポイント8】「わかったふり」はケースバイケース

「取材相手にバカだと思われたら、この人に話しても仕方ないと思われるかも……」。
そんな考えから、取材の時に、わかっているふりをすることがあります。

確かに、いちいち話を止めていたら、話が進まなくなるので、多少の知ったかぶりは必要だと思いますが、
何でもかんでもわかったふりをしていると、何も突っ込んで聞けなくなってしまいます。

専門用語はあとで調べるとしても、話の意味がわからないところは恐れずに聞くべきでしょう。

わかったふりということでいえば、
僕は、取材中、本当に共感できること以外は、安易に共感しないようにしています。
安易に「わかります」などというと、「お前にわかってたまるか」と思われているような気がしてならないのです。

たとえば、大企業の経営をしたことのない僕が、大企業の経営者の方に対して「その苦労、わかります」というのは、おこがましすぎる。
これも、20代の頃、背伸びをしようとして、そういう傾向があったので、厳に慎んでいます。

【ポイント9】取材相手の話をありがたがり過ぎない

取材相手が偉い人だったり、高名な学者だったりすると、相手をリスペクトし過ぎてしまうことがあります。
すると、多少言っていることがわからなくても、「自分の理解度が足りない」と思ってスルーしがちですが、
これをやると、いざ原稿を書くときに、「やっぱりわからん」となって、苦労することになります。

案外、高名な人でも、100%正しく、わかりやすいことを言っているとは限らないものです。
疑問に思ったことがあれば、ちゃんと聞きましょう。

【ポイント10】”放送事故”を恐れない

取材をしているとき、「沈黙」が怖いという人はけっこう多いのではないかと思います。
相手が黙ると、自分が何か話さなくてはいけないのではないかと思い、べらべらと話してしまうのですね。

しかし、じっくり考えるタイプの人にとっては、多少の沈黙は当たり前。
その沈黙を打ち消すように話すと、「思考の妨げになる」と嫌がられることがあります。
インタビューに放送事故はありません。多少の沈黙を恐れずに、ゆったりかまえるのもアリです。

【ポイント11】強引に寄せ過ぎない

取材に慣れてくると、事前に「今回の原稿の完成形」を思い描いて、取材に臨めるようになります。
しかし、これって、場合によっては、悪い方向に転がることも。
完成形を強く思い込みすぎるあまり、相手の話をその完成形の方向に強引に寄せていくようになるのです。

僕もかつてそういう傾向があり、取材先に「それって誘導尋問だろ? その手は食わないよ」とたしなめられたことがあります。
ユニークな趣味を持っているビジネスパーソンの取材の時、「趣味が仕事につながる」というコメントを取ろうとして、反発されたのです。

完成形に固執すると、せっかく想定外の面白い話が聞けたのに、「想定していた形とは違うから」と見逃してしまうこともあります。

記事の目的に合わせる上でやむを得ないこともあるのですが、取材の時点では、柔軟に考えたほうが、良い記事ができると思います。

【ポイント12】エレベーターホールまであきらめない

インタビュー終了時には「いろいろとお話しいただき、ありがとうございました」などといって、一区切りとなりますが、僕は、ここで終わったとは思っていません。

いったん取材終了となってから、エレベーターホールまでお見送りいただくまでの間に、良い話が出てくる可能性はかなり高いからです。
最後のオチにふさわしい重要な話が、立ち話の時に出てくるなんてことも珍しくありません。

なので、帰り際は、歩きながらでもメモをとれるよう、カバンの取りやすい位置にノートを入れておくようにしています。
また、インタビュー終了後の写真撮影の時にも、面白い話が出てくることがよくあるので、その時も、ノートとボールペンを持つようにしています。

以上が、僕が「取材の時に心がけていること」です。少しでも、何かの参考になれば、嬉しいです。

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http://30intern.com/archives/1407