【今日からできる】取材の時に、ライターが最低限心がけておきたい12のこと(前編)

こんにちは、オフィス解体新書の杉山です。

最近、運営している「30歳からのインターンシップ」で、「取材ライター体験」という企画を始めました。
なのですが、1回につき、2~3時間程度なので、「インタビューするときに心がけていること」をなかなか十分にお伝えできないなぁと思っていました。
そこで、簡単ではありますが、「僕がインタビューをするときに心がけていること」をまとめてみました。

これまでトータルで2500人ぐらい取材しているのですが、やればやるほどインタビューの難しさを痛感します。昔はわからなかった自分のアラやミスに気づいてしまうんですね。

ただ、以下で紹介するような最低限のことを心がけるだけでも、だいぶ違うのかな、と。
「これからインタビュー仕事に挑戦したい」というライターさんには、少しは参考になるのではないかと思います。
長いので、前編・後編に分けてお送りします。

【ポイント1】「○○入門」もおさえる

取材のマニュアル本やセミナーで必ず言われるのが、「下調べ」の重要性。
取材相手の著書や過去の記事、ブログなどを読んでおく(映像もあれば見ておく)のは基本ですが、現場で「それだけでは足りなかった…」と思ったことが何度もあります。

多くの場合、足りなかったのは、取材内容に関する基礎知識です。
たとえば、経営が好調とされる牛の繁殖農家を取材するなら、「畜産業界の状況」や「スタンダードな繁殖の方法」。
また、話題の芸妓を取材するなら、「日本全国の花街と芸妓の特徴」「スタンダードな芸妓のスキル」。
こうした比較対象となる情報がないと、その企業や人がどれだけすごいのかわからないんですよね。
実際、これらの調べが甘く、現場で後悔したことがあります。

というわけで、僕の本棚には、「○○入門」というタイトルの本がやたらとあります(写真がその例です)。
Webの情報でも良いんですが、検索するのが面倒なので、本を買うことが多いです。
入門本で知識の軸をつくってから、Webで足りない部分を補ったり、最新情報をアップデートした方が、基礎知識は身につきやすいと思います。

【ポイント2】マイ質問項目も用意する

出版社などから取材依頼をされた場合、質問項目は編集者さんが考えてくれることは多いですが、僕はその質問項目とは別に、新たに作り直すことがよくあります。

編集者さんの質問がダメというわけではありません。
自分で作らないと、質問内容が腹落ちせず、ただ単に質問を読んでいるだけになりがちだからです。

作り直してもほぼ同じになることも多いですが、腹落ち度はまったく違ってくるので、生きた質問ができるようになります。
また、作り直すことで、「ここも調べたほうがいいな」と気づくこともあります。

【ポイント3】つまらない失点を避ける

初対面なのに、見た目だけで、「この人、なんかいけ好かないな」と思った経験はありませんか?

そういう感情を抱くのは、取材相手も一緒。第一印象で嫌われてしまい、会話がはずまなくなることは、十分にありえます。
たとえば、「髪型が気に入らない」と取材先から説教され、取材がうまくいかなかったという例は実際に聞きます。

些細なことで失点するのはもったいないこと。そこで、以下のことに気をつけています。

●服装のTPOを相手に合わせる
 お堅い会社ならスーツを着ていく。逆も然り。おしゃれな家具屋やスタイリスト取材に変な格好をしていき、微妙な雰囲気になった経験もありますが…
ICレコーダーの録音を始める時必ず録音させていただきます」という
 無許可でとると、ちょっとまだ回さないで、となることがある
●メモはノートPCではなく、ノートを使う
 失礼だという風潮はなくなりつつありますが、PCへの入力に夢中になり、会話がギスギスしている光景を最近見ました。

【ポイント4】話に夢中になって、目的を忘れない

めちゃめちゃ話は盛り上がったのだけど、インタビュー終了後、肝心なことは何も聞けていないことに気づく……。

これ、20代の頃によくありました。追加の電話取材はしょっちゅうしていましたし、もう一度再取材をお願いしたこともあります。

こうならないためには、取材前に、「何を絶対に聞いてこなくてはいけないのか」をハッキリさせておくこと。また、取材中、常に本来の目的に戻ることを忘れないことを心がけています。

【ポイント5】本題と外れても15分は放置

巧みな質問で、他の人が引き出せないような面白い話をたくさん引き出すーーことができれば、カッコ良いですが、実際は難しいものです。
当意即妙な質問がなかなかできないんですよね・・。

そこで、心がけているのは、「取材相手に気持ちよく話してもらう」こと。
「自分のペースで気持ちよく話せれば、あれもこれも話したくなり、冴えた質問をしなくても、いろいろ面白い話を引き出せるのでは?」というわけです。

それを踏まえて、意識していることの一つは「できるだけ話のコシを折らない」ことです。

質問項目を事前に送っておいても、その通り、話が進むとは限りません。
よくあるのが、いきなりその日のテーマと違うような話から始まること。
2、3分ならともかく、5分を超えるとさすがに焦ってきます。

しかし、僕は15分はあえて自由に話してもらうようにします。

理由の一つは、気持よく話していたのをさえぎると、それ以降の会話が弾まなくなることがあるから。

また、「関係なさそうで、実は関係のある話だった」という場合もあります。
数年前、あるカウンセラーの先生に取材した時、本題からずれていると感じて、話題を変えようとしたら、「まあ、待て。ちゃんと本題に繋がるから」と制止されたことがあります。その時、改めて「自分の浅知恵で判断してはいけない」と痛感しました。

もちろん、時間に限りがある以上、どこかで本題に戻さなければいけないことは多いのですが、話のコシを折らなければいけない時には、頭をフル回転させて、注意深く質問するようにしています。

後編に続きます。
★「30歳からの取材ライター体験」では、実際の取材現場がご覧になれます。インタビュー仕事も始めたいというライターさん、ご興味あれば、ぜひどうぞ。
http://30intern.com/archives/1407